巨大な建造物、あるいは街。時間は真夜中で出歩く人はいない。誰もいないのは、廃墟だからかもしれない。 昼間のそれらに私たちは近づけない。大きな歯車のように、暗くて先も見通せないほど巨大なしくみの一部として動いているから。 […]

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おもしろいことに人類の想像力にはある種のリミットが設けられており、「やってはじめてわかる」という類の知識が存在するらしい。そういったものを暗黙知と名付けた人もいるらしいが、実際のところこれは身体によって知覚される知識その […]

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眠りから覚めた時、列車は鈍く光りながら煙を吐き出す工場地帯を走っていた。まだ零時を過ぎたばかりだった。 サンライズ号は東京駅を22時に発ち、30分後に横浜を経由した。私は初めての夜行列車に興奮し、普段飲まないビールを1缶 […]

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非日常とは「日常に非ず」と書く。まさにそのとおり日常の風景は祝祭によって様変わりするのだと最も感じさせてくれる祭りが京都吉田神社の節分祭だった。私は節分祭が大好きだった。 京都の祭りといえば三大祭としての葵祭・祇園祭・時 […]

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クリスマス近辺の街にはなんだかよくわからないものがたくさんある。最も不可解なものの一つが歌って踊るサンタ人形である。音に反応してサンタが陽気に腰を振るようにして踊る絶望的に目出度いその玩具を見たことのある人もたくさんいる […]

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世界中で神話とされる物語の中で、英雄とは死と誕生を繰り返す存在であるという。 死と誕生、それはまさに変化のみを知覚することのできる人間にとって「生命」を表現する最も直接的な表現なのではなかろうか。 美術の主題の多くが人の […]

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機械は子を作ることができる。 子機械の行動原理は親が設計する。 親は自分の経験を踏まえ、子がより良い行動をするような原理を選択する。 — まず、初代の機械は大いなる善と信じるもののために行動し、成功したものだ […]

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なにかすごく遠い世界に行けたり、すごく不思議なことがゲームの中ですら起こるような予感。 幼い頃僕がゲームにワクワクしていた理由はそのようなものだったと、今では説明できる気がする。 たとえば僕が初めてポケモンを知ったのはコ […]

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魔法は在る日を境に突然なくなったりはしない。魔法によって自分を運んでくれていた船がいつの間にか止まってしまっていることに、いつの日か気づくのだ。自分のまわりの世界が止まっていることに気づいてはじめて、自分が魔法を使えてい […]

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社会学的批評が語らなければならない問題は、「流行っているこれは何か」ではなく「なぜこれが時代の必然として流行るのか」だろう そういう意味ではSNS以前と以後で批評の形が変わっていないことは明らかにおかしい ポップカルチャ […]

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