今年の私は筋肥大を目指すこととなった。

そこに至る経緯はまた別の日に書くとして、そうなったからには目的を達成するのに効率的な手段を講じるのが必然である。僕は意味のあることをするのが好きだ。意味のないことを考えるのも同じぐらい好きだけれども、実行するときにはもっぱら意味のあることを好む。

そうだね。プロテインだね。

合わせて読みたい:

 

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なぜプロテインを飲むのか

トレーニングや食事管理にはさまざまな目的がある:

  • 減量
  • 増量
  • 筋肥大

等が代表的だろうか。体脂肪と筋肉の量を調整することによって目的を達成する。筋肉は傷ついた筋繊維を補修することで肥大していくのだが、その過程で必要となる補修材がアミノ酸で、アミノ酸の原料がたんぱく質である。したがって

  1. 筋繊維を傷つける
  2. たんぱく質を補給する

ことが必要だ。一般に筋肥大を目的としたトレーニングを行っている場合、一日に体重×2/1000 [g] のたんぱく質が必要だと言われている。体重が60kgの人ならば120gである。コンビニのサラダチキン1つに含まれるたんぱく質が25gぐらい、ゆで卵1つに含まれるたんぱく質が6gぐらいであることを考えると、たんぱく質が豊富なおかずを6〜8品ぐらい食べることでようやく必要なたんぱく質を摂取できることになる。当然これだけの食事を一般的な食品から作るとなると膨大な熱量になる。筋肉は肥大するかもしれないが間違いなく肥満になるだろう。

だから、プロテインによってたんぱく質を集中的に補給する必要があるのだ。

たんぱく質の質

すでにここ一年で口にしたよりも多く「たんぱく質」と言っているが、実はたんぱく質といってもすべて同じというわけではなく、質の違いがある。わかりにくいのでqualityと書こう。みんな大好き定量指標だ。たんぱく質のqualityはどのような指標であらわされるのだろうか。

「プロテイン 比較」と検索すると、「アミノ酸スコア」とか「プロテインスコア」とかいう指標がよく出てくる。よく売れているプロテインのいくつかには、「アミノ酸スコア100」や「アミノ酸スコア100の原料を使用」と記載されている。さらには、「アミノ酸スコアはダメだ。プロテインスコアも見ろ。」というような論旨の似たような記事がたくさん見つかった。

端的にいうと必須アミノ酸の量が十分にあるかどうかという指標だが、調べてみるとどうやらこれらは国際連合食糧農業機関(FAO)が策定した指標らしい。全米マッスル協会とかではないので、より多くの人を健康にする食糧供給に資する指標ということだろう。アミノ酸スコアに上限がつけられていることも一応これで説明がつく。

もうちょっと調べてみるとPDCAASやDIAASといったものも出てきていて、指標はさらに進化していることがわかった:

  • 1957年: プロテインスコア

↓ 人体における必要量を考慮

  • 1973年以降: アミノ酸スコア。日本では1973年か1985年の指標を使っていることが多い。

↓ 吸収率を考慮。便中の窒素含有量から吸収率を推定する。

  • 1993年: たん白質消化吸収率補正アミノ酸スコア(PDCAAS)

↓ Antinutrient (反栄養因子: 栄養の吸収を妨害する)を考慮していない。-> タンパク質のsourceを考慮に影響される。上限も撤廃。

結局指標はなにがいいのか

基本的に指標は理にかなった根拠を持って更新されているように見えるので、最新の指標が良いと思う。ただし、PDCAASからは便を使って測定するなど人体との相互作用を考慮しているために食品単体では検査できない。ほとんどの食品やプロテインがアミノ酸スコアを採用しているのは測定が簡易な指標であるためと思われる。(人体に分解・吸収されるまでを考慮する栄養学の進化を無視しているとも言えるが。)

今回は吸収スピードの高い動物性たんぱく質、特にホエイプロテインのみを対象にするので吸収効率とかは似通ってると考えてもいいと思う(卵とかカゼインとか配合してるものもあると思うけど。)アミノ酸組成だけからプロテインを評価する場合は上限を撤廃したアミノ酸スコアとかを考えると良さそう。

ただし、人気のあるプロテインでもアミノ酸の種類を制限していたりleucineを減らしていたり、アミノ酸スコアで計れない合成をしている場合もあってこのへんはよくわからない。良い効果があるのかもしれない。

プロテインを調べてみよう

日本と海外で売れてるものから調べてみた。

このうちweb検索でアミノ酸組成を発見できたものはたったの3製品だった。ファック。

意味のあるたんぱく質摂取をしたいので、成分が見つからなかったものは論外である。成分が見つからないもののひとつ、amazon.co.jpで一番売れてるsavasのやつとかはたんぱく質含有率が低めで、そのかわりにいろんな栄養素を含んでいるようだけどそれが筋肥大に与える影響をメカニズムから説明するべきだろう。というかプロのトレーナーとかはこんなブラックボックスを使ってどうやってトレーニング計画をたてているのか?なにか私には計り知れないコツがあるのだろうか。

もうこれしかないじゃん

アミノ酸組成が確認できた3製品は、以下の3つ:

  • ボディウイング製「ホエイプロテイン」 (Amazon.co.jp 4位)
  • Champion Performance製「Pure Whey Plus」(Amazon.co.jp 5位)
  • Optimum Nutrition製「Gold Standard 100% Whey」(bodybuilding.com 2016 1位)

この中では、Optimum Nutrition製 Gold Standard 100% Wheyが一番良い

  • たんぱく質含有率が高い (77.42%)
  • アミノ酸スコアが高い (96.89)
  • PDCAASも算出されていてしかも高い (100)
  • それなりに安い (3,029円/kg)
  • bodybuilding.comで10年連続売上1位という圧倒的実績

など、買わない理由が浮かばないほど。私は迷わずこれを買った。

いちおう残りの2製品も紹介しておく。2番目のおすすめはボディウイング製 ホエイプロテインだ。

今回調べた国産プロテインでは唯一アミノ酸組成の情報があり、たんぱく質含有率が高く(78%) アミノ酸スコアも高い (100.96) うえにGold Standardよりも700円ほど安い (2,290円/kg)。ただし一食分として推奨されている量が若干少ないので厳密に推奨量を守った場合、たんぱく質は1食で18.72gしか摂れない。またボディウイングは水素水を販売していたりもするので、売れそうな商品をOEMで売っているだけの業者なのではという疑いの目を私は向けている。ちょっとの値段の差に目をつぶれば、プロテイン会社としての実績もあり研究がなされている(と思われる)Optimum Nutrition製品を買うほうが懸命な判断だと私は思った。

3番目はChampion Performance製 Pure Whey Plus。

驚くほどアミノ酸スコアが低い(44.54)が、これはisoleucineが要因だ。2番目に低いスコアはPhenylalanineの96.57で、これはOptimum Nutrition製 Gold Standardとほぼおなじ。Isoleucineだけ圧倒的に少ないのは意図的にカットしているからでは、とも思ったがAmazon.comでの商品詳細説明に「pure whey plus ultra-refined protein helps stop muscle breakdown by delivering essential branched chain amino acids (such as leucine, isoleucine, and valine) your muscles crave after heavy weight training…」とisoleucineの重要性を書いてもいるので合成の都合上やむなく低い値となっているのだろう。したがってこれを買うのはおすすめしない。

今回集めたデータ

あまりたいしたものではないですが、せっかく集めたデータなので公開します。MITライセンスです。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1hvKrslxb1-EiENHSrUPnL4MUMOkoyfZeK2wfcqRVgJk/edit?usp=sharing

トレーニング方法とかもおもしろいものが見つかれば書きます。

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